断熱性能は、なぜ必要?
断熱性って何でしょう。『断熱』とは文字通り熱を断つことです。家の外の暑さ、寒さを寄せ付けない。
それが断熱性でしょう。
 しかし、家に必要とされる断熱性能の役割は、そればかりではありません。
断熱性の一番の役割は、『寄せ付けない』ことよりも、むしろ『保つ』ことにあるといえるでしょう。
つまり、保温性です。家の中の暖めたり涼しくした空気の温度を保つ力が断熱性能です。
 外へ逃がさないのが気密、温度を保つのが断熱、両者は似て非なるものなのです。
 では、断熱性能がなぜなくてはならないのでしょうか。それは、気密性だけでは省エネルギー性を保てないからです。
 高性能住宅は、主に北海道で進化を遂げてきました。その進展の歴史の途中では、『気密なき断念化の時代』『断熱なき気密化の時代』をそれぞれ経験してきました。それは、見事なまでの失敗の歴史です。試行錯誤してやっと築いた結論が、気密と断熱、そして計画換気の3つが備わっていなくては、良い住宅にはなりえないということです。それぞれが、それぞれを補い合い、バランスを取り合ってはじめて性能的に満足のいく家になるということだったのです。