換気はなぜ必要?
換気の役割の第一義は、やはり新鮮な空気の確保です。
 人が住む以上、常に、フレッシュエアの供給は欠かせません。2番目の役割は、室内で発生した余分な水蒸気や臭い、空気の汚染物質(二酸化炭素)などを外に排出することです。水蒸気の排出は結露防止に、臭いや空気汚染物質の排出は、衛生面からも住む人の快適性や健康を守ることに役立ちます。
 とくに、最近は室内の空気汚染がよく話題になっています。二酸化炭素・遺産か炭素をはじめ、浮遊粉塵、ラドン、建材や家具から排出されるホルムアルデヒドなど、家の中の空気は、大変汚染されています。
 これらの汚染物質を、常に排出してくれるのが、換気システムです。とくに、高性能住宅には24時間換気システムの標準装備は、絶対に必要です。
 『換気なき高気密住宅は犯罪』などという記事を以前見ましたが、その通りだと思います。ただ、ひとつ言わせていただければ、計画換気を行うための気密化なのだから、換気のない気密化というのが、すでにおかしいのです。

快適性と空気のお話

Q1・・・全室同温湿度という考え方は?
A. 家中の温度や湿度を一定に保ち、温度ムラや、部屋間の温度差をなくそうという考え方です。これを実現しないと、結露発生の原因にもなりかねませんし、健康住宅などというふれこみも難しくなるでしょう。温度ムラや、温度差は、人間の体に意外と大きな負担を強いています。

Q2・・・同室同温湿度はぜいたく?
A. 全室同温湿度を保つということは、使ってもいない部屋まで冷暖房しているため贅沢なように感じられるかもしれません。省エネルギーの考え方からも矛盾しているように感じるでしょう。しかし、高性能住宅であれば、普通の従来までの住宅の居間1部屋を暖房や冷房していた費用とほぼ同じくらいのコストで、全室暖めることが可能となります。
 結露予防のため、ひいては家を長持ちさせるためにも必要ですし、家族の健康に生活する為にも必要なのです。決して贅沢な考え方ではなく、必要がそうさせているのです。


Q3・・・空気汚染については?
A. 最近社会問題にまで発展している問題に、空気汚染があげられます。空気汚染は、換気システムが正常に動作していれば、ほぼクリアできる問題です。しかしなるべくであればそういった汚染源となる物質を家に持ち込まないに越したことはありません。 そういった、ナチュラル志向の素材や、ノンホルムの建材が多く出まわりはじめているのも事実です。確かに、大切なことです。
 しかし、気をつけなくてはならないことは、最近のホルムアルデヒドなどの空気汚染の多くは住宅の部材からではなく、家具からのものがずいぶん多いという点です。据付式の家具やシステムキッチンなどから、また、後から住む人が持ち込んだ新しい家具などから発生したりと、家以外の発生源が多くなっています。
 なるべく、家具選びにも気をつけることと、やはり24時間換気がしっかりと計画された住宅であることが大切です。